たださえ普通の家とは違う古民家物件ですが、どんなところに注意しておくと失敗や後悔を少なくできるのか紹介します。
古民家自体や家の周辺など、読んでおくと物件選びの絞り込みに役立ちますよ!
家が傾いていない
古民家では多少柱が傾いているということは珍しくありません。もともとの地盤の固さや長い年月の間に日々受ける振動(車や強風など)によって少しずつ傾いてくるのは自然なことでもあります。
わずかな傾きであればあまり問題ないこともありますが、柱が傾いているからとそこだけ立て直しても歪みは他の部分に出ることになり、壁が崩れるなどさらなる補修を迫られることがあります。
そしてそれが基礎部分からの致命的な傾きである場合、一度基礎を持ち上げて補強や修繕をしなおすなど構造体からのリノベーションが必要になります。
木や草で覆われていない
家の一部または大部分が木や草で覆われている場合、その部分は日や風が当たらないため建材が傷んだり、シロアリなどの虫食いが発生していることが十分考えられます。
この場合も、購入を見送るか木造住宅に詳しい専門家によく相談しましょう。
田畑や山林付き物件かどうか
田舎の古民家によくある「農地付き」「山付き」の物件。
一見お得そうにみえますが、農家をやりたい人が買ってもそのまま農地としては認定されませんし、農家をやる予定でない人にとっては逆に大きな負担になることがあります。
でも最近は自治体によって移住しやすいように
条件は緩和されてきています!
土地が放置されたり荒地になると、その土地の農環境にも悪影響を及ぼすため、近隣農家にとっては死活問題です。
農地や山林利用を考えていない人や管理に自信がない人はよく考える必要があります。
田舎の農地は私たち素人が思っているよりはるかに広く……
でも売主さんも農地とセットで売りたい人が多いんだよね
都市計画区域ではない
都市計画法の規定では市街化調整区域になっている地域は、むやみに市街化することを防ぐため、建物の建替えや解体、用途の変更などが制限されている場合があります。
買いたい、と思っている古民家物件がそのエリアに入っていると容易にリノベーションできないこともあるため、購入前に確認が必要です。
都市計画法施行以前に建てられた家であれば可能な場合もあるなど
色々なので調べてみましょう!
「(市町村名) 市街化調整区域」で検索するか、各自治体に問い合わせましょう
家の前の道幅が十分ある
田舎のほうでも家が集落の奥まったところにあったりと、家の前まで車が入れられないほど道が狭いことがあります。
雨の日の買い物にも困りますが、そもそもリノベーションのための施工会社の車両も入りません。
家の周辺に車を入れられるルートがあるか確認しておきましょう。
残置物が少ない
古民家あるあるですが、古民家や空き家には前の住人の荷物がたくさん、ものすごくたくさん残っていることがよくあります。
現状そのまま売りたいです、というのが売主の希望であることも多いため、この残置物の処理にかかる費用も考える必要があります。
もしいくつかの同じような古民家物件を比較中であれば、残置物の処分はしてもらうなど交渉してみてもいいかもしれません。
自治体によっては残置物の処分のための
補助金がでるところもありますよ。聞いてみましょう
お宝が出てくることはあんまりないみたい……
下水道設備がある
下水道設備がないとお手洗いはいわゆる汲み取り式のぼっとん便所です。田舎の、特に長い間空き家だった家では昔のまま残っていることが多くあります。
気にならない人にはいいのですが、若い人が移住した場合はやはり生理的に受け付けないということも多いようです。
その場合トイレ工事も必要になるためできるだけ費用をかけたくないという人は必ず確認しておきましょう。
簡易式水洗トイレが比較的設置も簡単で低コストで済むようです
自然が好きで移住した人には
コンポストトイレも人気みたいよ!
大家や近所との距離がとれている
田舎の古民家物件を借りたり買ったりすると、すぐ隣に大家さんや売主がいたり、集落だと隣近所の家同士がかなり近いことがあります。
農村部などでは都市部以上に人とのつながりや近所の人の「干渉」に合うことがあります。
都市部で良い意味での近所同士の無関心に慣れている人にとっては予想以上にストレスとなることもあるため、気になる人は「ぽつんと一軒家」を探すのがいいかもしれません。
人との距離の取り方ってむずかしいよね……
ただ人の目に触れないと危険にも
気づいてもらいにくいこともあるし……
近隣にゴルフ場がない
田舎の古民家物件の近くには土地があるからこそゴルフ場もよくあります。
実際に近くに住んでみた人のネット上の声を集めるとこんなものがありました。
- 使っている農薬の種類や散布時期によって心配になる
- 早朝やツアーなどの車の音や渋滞が起こる
- 排ガスで花粉症に悩まされる
- ゴミのポイ捨て
- 夜間の照明がきつく感じる
見てみるとせっかくの田舎ライフを享受しにくいことがありそうですね。
最近は自然や人にやさしい木酢液を使うなどしているゴルフ場もあります
花粉は本来人の体には入らないサイズですが、化学汚染物質とぶつかって破裂することで人の体に入る小さなサイズになってしまいます。そのため通常は田舎の方が花粉症の症状も緩和されやすいようです
ゴルフ好きな人はいいかもしれないですね
近隣に堆肥場の施設がない
いわずもがなですが、近くでなくてもこうばしい香りがしてくるのが堆肥ですが、風向きによっては家を直撃して家中に香ることもあるため確認しておくとよいでしょう。
地味に大事だわね……
周囲にあるとうれしいかもしれないもの
ネット上の古民家に住む人たちの声の中には、上記の項目のほかにこんなものがあって嬉しかったそうです。
特に自然を求めて古民家暮らしをしたい人は余裕があればチェックしておきたい項目ですね。
古民家物件選びは注意事項もたくさんありますが、それを気にしすぎていてはどの古民家も選べなくなってしまいます。
これらの項目をチェックしつつ、妥協できる点や解決できる方法があるか、古民家物件の絞り込みに使ってみてください。