古民家探訪26 古民家かふぇ美土里

美土里の外観福岡市南区
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久しぶりの古民家探訪は福岡市南区の「古民家かふぇ美土里」へお邪魔しました。平日昼下がりのゆるっとした雰囲気が似合う、すべてが「ちょうどいい」地元密着型の古民家でした!

ゆるこ
ゆるこ

最近訪ねると臨時休業など古民家とのタイミングが合わずヘコんでたので

行けてうれしかったです

マドレーヌさん
マドレーヌさん

私は行けなくて残念よ!

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古民家かふぇ 美土里は築約46年

美土里の玄関
バックに夏の入道雲がついております

古民家かふぇ 美土里(みどり)は、福岡市南区弥永にあり住宅街の中にひょっこり現れます。

この古民家に縁のある方のお話によると築約46年(1977/昭和52年頃)。(わざわざ築年数をご連絡頂きました。ありがとうございました!)

おいおい、古民家は築50年以上じゃないのかいと思ったりしても心配はありません。目安はただの目安。ここは古民家らしさが十分詰まった一軒なのです!

古民家の「一般的な」定義

もとは通常の民家で、4、5年ほど前に今のオーナーさんがお店を始めたのそうで、リーズナブルでおいしいランチが人気です。

ゆるこ
ゆるこ

このオーナーさんが大変腰の低い丁寧な方なのです

中には「子供部屋」があったりして、この日もキッズやママさんたちが集まっていました。住宅街の中にあるだけあって、地元の人の憩いの場ともなっているようです。

マドレーヌさん
マドレーヌさん

古民家にキッズがいるっていいね

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前庭と広い玄関が迎える

美土里の外観

なんとなく田舎のおばあちゃんちに来たような気持ちで近づくと、右手には前庭と縁側が見えて久しぶりの古民家に鼻息荒くなっていきます。

縁の下にバケツやら置いてあるのが生活感があって好きなのですね……

手前に写る玄関の化粧柱をなでなでしたくなるのを堪えつつ、前庭に目をやります。

通常のお宅であればぴんぽーんと呼び出し音を鳴らした後に、家人がでてくるまでぼんやり眺めて楽しみます。

ここはカフェでピンポンはないので、入る前にピンポンした体でしばらく眺めておりました。BGMはミンミンゼミです。

黒めにほどよく古びた感が出つつあるガラス引戸の框(ガラスを囲む枠)や奥には雨戸をしまう戸袋も見えます。

軒桁部分にでっかい丸太横木が横たわっていますね!

古民家の構造についてはこちらで

それではお邪魔します。

昔の家らしい広い玄関が迎えてくれます。玄関引戸の上にも明かり採りがあって明るいです。

入ってすぐ左手に「子供部屋」があります。結構元気な子供たちが数人来ていたのですが、ドアを閉めているとほとんど声も聞こえて来ないので、静かに会話を楽しみたい方も心配要りません。

座敷からのぞむ縁側と庭

写真奥が玄関側

玄関から右手のテーブルに案内されると縁側が走っていました。

縁側の幅は1.8mほどでゆったり。大きなガラス戸のおかげで、縁側から庭が一続きになっているような広く開放的な空間になっています。

一角にはハンドメイドのアクセサリーや絵本が販売されていました。

写真が上手に撮れず大変見にくいのですが、外の玄関からも見えた軒桁部分の横木は1本の丸太梁で縁側の端から端まで横断しています。立派ですね!

ガラス欄間部分は丸太に合わせて光付け(接着面の木や石の形にあわせて削ること)で仕口がされているようになめらかに接合されていました。

ゆるこ
ゆるこ

今見たら写真で全然わからない……すみません

仕口・継手(しくち・つぎて)

釘などを使わず、木材同士に高度な加工を施すことで2つ以上の木材を接合する技術。部材同士を90度など角度をつけてつなぐのが仕口。平行につなぐのが継手。

縁側からも先ほど玄関から見えた前庭が眺められます。

岩、沓脱石(くつぬぎいし)、飛び石、灯籠、手水鉢(ちょうずばち)、木々や草花など古民家の庭たる要素がギュッと詰まっています。

個人的には大きな岩がいくつもどっしり重ねられているのがかっこよかったです。石や岩は不動不変の象徴として日本家屋の庭では欠かせない存在です。

古民家の庭は奥深い

縁側の突き当たりにはソファ席があります。おしゃれです!

ゆるこ
ゆるこ

ここで体育座りして日がな一日石と対話するっていうのはどうだろう……

マドレーヌさん
マドレーヌさん

……うん……お店のひとにきかないとね……

テーブル席が並ぶ座敷と床の間

玄関に近い座敷には3つのテーブル席が用意されています。レジ向こうがキッチンになっているようです。

写真正面に見える小さな空間は元は押し入れのようにもみえます。敷居と鴨居や天袋らしきところがありますね。

ゆるこ
ゆるこ

こういうこぢんまりした空間だいすき!

マドレーヌさん
マドレーヌさん

古民家活用する人たちはみんななぜこうもセンスがあるのか

障子を隔てて床の間です。こちらには2つのテーブル席があり、ゆったりしています。

床の間があるのでこのお部屋がこの家で一番格式高いということになります。今でもお花を飾ったり大事なスペースとして残されているようです。

床の間の横、縁側沿いに取り付けられるのは付書院(つけしょいん)と呼ばれます。昔の書斎机の名残です。

この開口部の建具には奥には山が見え、空には鳥が舞い、手前には橋が架けられ、一枚の絵のようにきれいなのですね。

通常は小障子がたて付けられますが、ここも格子が入っているのでもとは障子が貼られていたのかもしれません。

床の間は座敷飾りのひとつ

天井は近代以降に民家でメジャーになっていった目透かし天井で今でも和室にポピュラーに用いられています。

縁側は格子が残り建具状になっているので、おそらく障子欄間だったものでしょう。

写真を撮り忘れてしまったのですが、板間と床の間の間も障子で間仕切られており、市松模様に一部和紙を剥がしてあってとても障子とは思えないおっされ間仕切りに仕上げてあるのです。

お店のインスタにありました

部屋を仕切る彫刻欄間には松や竹が描かれ、縁起の良さや家主の品格を表すものとされています。

縁側以外の建具や柱、梁はリフォームの際にオーナーさんたちで濃いめの色に塗り替えられたそうです。

古色塗装ではないそうですが、暗めの色で重厚感が出てアイアン家具ともすごくマッチしているのですね。

古色塗装(こしょくとそう)

部材の色の不調和を解消するために古材に似た色を新材などに塗ること。柿渋に松煙などの顔料を混ぜたものが使われる。

ゆるこ
ゆるこ

壁は元は砂壁だったそうですが、漆喰で塗り替えたそうです

「呼吸する壁」それが漆喰

今回の古民家は築約46年という比較的若さもあって、お店の方のお話によるとあまり手を加える必要もなかったとのことで、ほぼそのままの形で活用されていました。

その頃であればすでに日本家屋らしさは省略され、合理的で「住みやすい」家ばかりが建てられていた頃です。

そんな時代にもかかわらず、この家を建てた方は庭の添景物、縁側の丸太梁、そして座敷飾りなどの一つ一つをわざわざ取り入れておられます。

「日本の家ならこれはなければ!」という強い思いを想像しました。

地元の人や子供たちにも親しまれる「古民家かふぇ美土里」、子供たちが大きくなった頃にはさらにすてきな古民家となって残っていきますように!

古民家かふぇ 美土里を味わう

ランチのハンバーグ

美土里にはランチ時間にお邪魔しました。

がっつりお腹を空かせていたので写真の「手作りハンバーグ(200g)ご飯・味噌汁付き」850円にしました!美土里はリーズナブルなメニューで人気だとのことでしたが、本当に安い!

マドレーヌさん
マドレーヌさん

この物価高で、お店が頑張ってくれているのね

このハンバーグは箸を入れた途端に肉汁が溢れ出てくるので、「一滴もムダにしたくない!」という人は備え付けのスプーンでスタンバっておくことをおすすめします。

ゆるこ
ゆるこ

おいしい。幸せになれる。元気ない時は食べるとよろしい

ホットサンドなどのパンメニューとデザートがセットになった「よりどり美土里セット(1200円)」が人気らしいのですが、メニューも色々あるのできっと悩んでしまいます!

ゆるこ
ゆるこ

お店の方も親切でお話ししやすかったです!

お忙しいところ、色々質問させて頂きありがとうございました!

古民家かふぇ美土里 店舗情報

住所 :福岡県福岡市南区弥永3丁目4−5
TEL : 0925851001
<営業時間>10:00~19:00
<定休日>木曜日
<駐車場>あり

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