民泊・農泊の違いと「伝泊」にみる地域のブランド化

民泊古民家暮らしのヒント
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

古民家暮らしを体験してみたいと調べると最近は民泊や農泊が人気です。

たとえば奄美大島の伝泊(でんぱく)など色んな形の宿泊スタイルがあります。伝泊は「まちをつくる」をコンセプトに、伝統や伝承を伝える意味を持った滞在プランを提供することで奄美という地域のブランディングに成功しました。

古民家に泊まってみたい!と思う方はそれぞれの宿泊スタイルの概要だけでも知っておくと宿を探すときの材料の一つになりますよ。

スポンサーリンク

民泊

2020年の東京オリンピックに向けて宿不足問題解消のためにも急速に盛り上がり始めたのが民泊です。国土交通省によると明確な定義はないものの、

住宅(戸建住宅やマンションなどの共同住宅等)の全部又は一部を活用して、旅行者等に宿泊サービスを提供することを指して、「民泊」ということが一般的です。

minpaku 民泊制度ポータルサイト「はじめに「民泊」とは

とあります。

民泊・民宿・ゲストハウスの特徴

民泊

まずはじめに民泊ですが、旅行サイトなどみていると民宿とあったりゲストハウスとあったりします。何が違うかわからないと少し不安で決めかねるかもしれません。

現在では利用者側からは民泊と民宿の境ははっきりとはしていないことも多く、オーナーの常駐有無や提供内容で決めてもいいでしょう。ゲストハウスは少し形態が違うため後述します。

民泊・民宿の特徴
  • 地域性や家ごとの特色を楽しめる
  • ホテルや旅館より安価な場合が多い
  • 手料理や郷土料理が提供されることがある
  • アメニティの提供はないことが多い
  • オーナーとゲストとの距離が近くアットホーム

オーナーとの距離が近く、アットホームを求める利用客に向いています。民宿はオーナーが常駐していますが、民泊は必ずしもそうでなく無人で運営されていることもあります。

長崎 波佐見の民泊 美のり窯

古民家再生された宿泊施設には最近ゲストハウスも多くみられます。

ゲストハウスの特徴
  • 安価なため連泊しやすい
  • 素泊まりが多く、食事提供やアメニティはない
  • 海外からのバックパッカーも多い
  • ドミトリーや二段ベッド利用など他の利用客と相部屋になることが多い

ゲストハウスも郵便受けに鍵を入れておくだけなど無人で運営されていることも多いです。個室でないことも多く、色んな人とコミュニケーションを取りたい人に向いていますが、中には盛り上がりすぎて騒がしくなってしまうこともあるため気になる方は避けた方がいいかもしれません。

ただし京都などには古民家再生されたゲストハウスもあり、町家を体験できるおもしろい機会になります。

スポンサーリンク

農泊

農泊

農泊は文字通り、農業体験の宿泊サービスかと思えばそれだけではありません。農林水産省によると

「農泊」とは、 農山漁村地域に宿泊し、滞在中に豊かな地域資源を活用した食事や体験等を楽しむ「農山漁村滞在型旅行」 のことです。地域資源を観光コンテンツとして活用し、インバウンドを含む国内外の観光客を農山漁村に呼び込み、地域の所得向上と活性化を図ります。

農泊.net 農泊ポータルサイト「「農泊」の推進について」

とあります。(管轄も民泊は国土交通省でしたが、農泊は農林水産省なのですね。)農村漁村型とあるように、農業だけでなく実は漁業、酪業なども体験できます

農泊はただ泊まるだけではないため、自治体や運営者によってかなり内容が幅広く違っているのが特徴です。

農泊の特徴

囲炉裏
アウトドア的にも楽しめる
  • 土地も広いため一棟貸しも多い
  • 農家泊のほか、キャンプ泊、酒蔵泊、お寺泊、町家泊など様々なステイ先がある
  • ステイ先によってアクティビティに特徴がある
  • 食事はなかったり、体験型に含まれていることもあるなど様々
  • 外国人観光客にも人気

農泊はフルーツ狩りなどの農業体験だけでなく海のあるところでは漁業体験、カヌー体験、また森林セラピーなど様々でアウトドアが好きな人にも向いています。色んな職業を知るという意味で町家も含まれ伝統を学ぶ機会もあります。

また、農村・漁村にもたくさんの効果が現れています。

  • 農村・漁村の遊休地が活用される
  • 若い世代が移住し、地域が活性化
  • 自治体や企業も参入し、農村・漁村世帯の所得が増える

農泊は古民家が重要な活用資源となっているため、古民家ツーリズムとも合わせてひとつでも多くの古民家が残るための大事な機会となっています。農泊はSTAY JAPANなどにも滞在先が多くあり予約も可能です。

古民家再生宿だけでなく地域もブランド化している!

先日、全国古民家再生協会の「歴史的資源を活用した古民家整備事業」という補助金がでる支援事業について紹介したのですが、その要件の中に協会が指定するロゴや統一名称の掲示というものがあります。

これは古民家再生された宿を価値あるものとして全国でブランド化していくためでもあります。

500万円までの補助金ありのおトクな事業
越屋根
(イメージ写真です)

また、古民家宿だけでなく地域全体で観光まちづくりや町をデザインしていくという動きがあります。2020年のジャパン・ツーリズム・アワードでは奄美の「伝泊」が受賞しており、集落住民のひとりとしてゲストを迎え、用意されている宿や島で「伝統」や「伝説」を「伝える」のがコンセプトです。

最初は空き家問題から始まった古民家再生から、今や集落住民だけでなく訪れる人々も巻き込んだ「伝承」が始まっているのです。そうやって奄美は伝泊という地域ブランドを確立させました。

ジャパン・ツーリズム・アワードやグッドデザイン賞を受賞した宿や地域

そこでしか得られないという地域体験のブランディングや古民家宿のブランド化が日本中で発動中です。奄美の伝泊の他にも……

各地域が歴史や文化・伝統だけでなく、利用者の期待に応える宿泊施設や文化施設などのツールや仕掛けに全力で取り組んでいます。

古民家に泊まってみたいけれど、どこに行けばいいかわからないという人は地域ごと楽しめる場所にいってみるのがおすすめです!

タイトルとURLをコピーしました