古民家探訪4 古材の森

古材の森外観福岡市外
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4件目の古民家は福岡県糸島市筑前前原(ちくぜんまえばる)の古材の森。古材と言えば古民家、古民家と言えば古材なのです。

この時の古民会は直前でバタバタ行き先を決めたにも関わらず大当たりの古民家を訪ねることができました。まさか福岡市中心部から電車一本でこんな素敵な場所に出会えるとは予想外。知らないだけでこういう場所はきっとたくさんあるんだろうなぁ。

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古材の森は築120年

古材の森は福岡県糸島市筑前前原にあるお店です。食事、喫茶だけでなくコワーキングスペース、展覧会やミニライブなどのイベントを行う空間も提供しています。色んな要素から成る森、って感じします。そんな古材の森は明治34年に建てられた元商家・旧西原邸の建物。西原家ははじめは小さなお店だったようですが、醸造業、呉服業や貸付など様々な事業で成功した豪商だったそうです。(参照元:古材の森公式サイト

筑前前原というと箱崎と同じく旧唐津街道の宿場町ですが、箱崎とは全然違った古民家の空気感がありました。

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旧西原邸はかなり大きな古民家

どーんといきなり現れるきれいな白が目立つ建物。箱崎で見てきた古民家と違ってどっしりしてます。この間口の広さ、豪商だったんですねぇ…。でも大きな建物のわりに落ち着いたおしゃれな雰囲気もあります。この外観を見たら古民家に興味のない人でも「中どうなってるんだろう?」ってきっと気になってしまいますね。

古材の森の関守石
木でできた郵便受けもかわいい

個人的に正面右側の入り口が気になっちゃいましたが、ここが西原家の厩口だったのかなぁと思ったのですが、公式サイトには「お店入口」となっていました。古材の森のお店の入口ではないので、昔の商家の頃のお店の人が出入りするところだったのでしょうか。郵便受けまでもいい感じです。そして今もすごくきれいにされているなぁ。

厩口(うまやぐち)

馬の出入口。通常メインの出入り口である大戸口の横にある

真ん中にちょこんと置かれている関守石も味があります。筑前前原散策中は他の場所でもちょいちょい見かけました。

関守石(せきもりいし)

通り抜け禁止の意味で置いてある石

これらの用語を詳しく解説!

裏へまわると駐車場ですが、建物の裏側も大きな民家の存在感があります。

ゆるこ
ゆるこ

電車で来たのに、ついつい裏に回って見ちゃう私たち…

マドレーヌさん
マドレーヌさん

止められないとどこまでも入っていきそうだから気をつけようね…

旧西原邸の土間

…なんと美しい空間でしょうか。この柱や梁の下にどれだけの間どれだけの人が訪れたんでしょう。次のお休みには日がな一日ここに座って読書でもしましょうかね(妄想)。

古材の森の柱

大黒柱?と思われる柱ですが、ゆるこの大黒柱のイメージよりこの大きな家を支える柱としては細身のような気がします。でも「大黒柱」って意外とこういうものなのかもしれません…。室内に礎石が見えるのが面白いですね。

位置的に違うかも?!こちらで大黒柱について勉強しました

二階で旧西原邸の建物を味わう

古材の森は入り口から既に心躍るのですが、そこから二階へ探索すると圧巻なのです。

古材の森の階段を上から見る

土間を通り過ぎると左手はレセプション、右手は二階へ続く階段になっています。

階段を上り詰めて振り返った先の景色はこの通り圧巻です。とても現代の住宅からは見渡すことのできない古材の風景を見下ろせます。

そもそもこの建物は元の持ち主から「壊すこと」を依頼をされて見つかった古民家だそうです。この光景を見ると、ただのミーハーな古民家好きたちからみても、冗談でしょ?と漏らしてしまいそうなほど「このまま存在していてほしい」風景です。

壊そうと決断なさった方にはそれなりのご事情があったかと思いますが、それを汲んでそれでも残そうと尽力なさった方々には頭が下がります。ゆるこやマドレーヌさんのようにそうやって残された古民家から癒しをもらっている人からするとやっぱり残っててくれてありがとうなのです。

荷物の上げ下ろしに使われたと思われる滑車とロープも残っていました!テレビで見たことがありましたが本物を見れて感激です。滑車を支える金具部分が意外と華奢ですが何キロくらいまで持ち上げられたんでしょうか…。

古材の森 2階の非常口
ゆるこ
ゆるこ

非常口…!え、この窓から逃げるってことですかね?!

マドレーヌさん
マドレーヌさん

え、消防士さんここから助けに……いや、普通に横の階段降りてってことじゃない?!笑

二階のお座敷巡り

確か二階のお部屋は4部屋あったと思いますが、そのすべてのお部屋がこの回廊に面しています。当時使われていたであろう家具や小物がごく無造作に置かれていて、ついなでなでしてしまいます。博物館に置かれていそうなものもあるのに、展示という風でもなくなんだか良いおうちにお邪魔させてもらってます的にとても自然に昔のお部屋を楽しませてもらえるのです。

古材の森 小物たち2
何が書いてあるのか見ていくのも楽しい
古材の森 小物たち
古道具もたくさん。何に使われていたのか想像してみるのもおもしろい
古材の森 展示スペース
展示スペース。大工道具のようなものが置いてある。床がミシミシ鳴る
古材の森 2階の窓
展示スペースの窓。この模様が最高にかわいい

歴史ある建物で色々贅沢に味わう

一階に降りてきてお食事を頂きます。

席から臨む坪庭

めちゃくちゃいい席に通して頂きました。本当に素敵な席でした。ありがとうございます。

マドレーヌさんが離席したわずかな時間、ゆるこはずっとこの庭を眺めていました。快適な室内で時折ほんの少し庭の木々や窓のそばのすだれが揺れるのに気付きます。本当にほんの少しなんです。そんなわずかな風の存在を感じられるってなんだかとっても幸せです。永遠に眺めていられるようなお庭でした。

お庭が見える席にゆるこを座らせてくれたマドレーヌさん、どうもありがとう。次回はきっとこっちに座ってくださいね。

垂木(たるき)

屋根を横方向に垂れ下がるよう支える羽柄材

欄間(らんま)

天井と鴨居の間にある開口部。風通しや採光、装飾目的に取り付けられる

これらの用語を詳しく解説!

古材の森で頂く町屋御膳 お品書きのセンス!!

お分かり頂けましたでしょうか。スマホだと見にくいかもしれんが、十一にも及ぶお品書きのスターターは「一、歴史ある明治の空間」なのです。ここでまず味わってほしいのはこの建物、この空間というそのセンス。どなたが盛り込んだのか存じませんが、正しい!!というほかないのです。「味わう」って奥深い不思議なことばですねぇ。

古材の森 町家御膳

お料理は糸島でとれる食材をメインに、身体にやさしいメニューばかりです。その味わいは「シシトウのキンピラ」とか「豆乳の葛寄せ」とか「地だこのビーツソース」とか、え、何それ?何それ??が止まらないのです。豆乳の葛寄せは本当においしかったなぁ。豆乳ラバーのゆるこは作り方がめちゃ気になる一品でございました。

古材の森 公式サイトは必見

いつも古民家のお店の公式サイトを見て思っていましたが、古民家推しが弱い…。みなさんお店としてやっていらっしゃるので、一般的なメニューなどが中心になっているのは仕方のないことかもしれませんが、ゆるこやマドレーヌさんのような古民家好きにはちょっと寂しいものがあるのです…。

ただ今回の古材の森の公式サイトは見てるだけで「おぉ」と言葉もれてしまう充実したサイトなのでぜひ見て頂きたいです。古民家情報満載。そして古民家としての価値だけにとどまらず、古くていいものが新してすてきなものと出会う場所として紹介されています。公式サイトを見ていたらまた行きたくなってきたなぁ。今度はイベント開催しているときにお邪魔したいです。

古材の森 店舗情報

住所 : 福岡県糸島市前原中央3丁目18-15
TEL : 092-321-4717
<営業時間>11:30〜17:00
<定休日>毎週水・木、GW、年末年始など
<駐車場>敷地内(10台程度)

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