古民家鑑定士の情報って公式以外にネット上にもまだあまり多くはないですよね。今回は古民家鑑定士の資格について、ゆるこが受験した際の勉強方法や試験時のことなど個人的見解や感想をふまえつつ書ける範囲でお伝えします!
こんな問題がでました!とかはもちろん言えませんのであしからず……^^;
受験を迷っているならまずは公式テキストを買ってみる
受験料9,000円と安くはないですし、受験を迷っている人もいるかもしれません。私もそうだったので、まずはどんなものなのかまずは公式テキストを買ってみるといいでしょう。
見本のためAmazon等のページを載せておきますがなぜかやたらと高いですので、古民家鑑定士試験情報のある公式ページから9,000円で購入できます。あとはフリマアプリにも出品されていることがあります。
フリマアプリで買うと8,000円くらいでした
公式テキスト「古民家の調査と再築」はどんな本か
私は買ってよかったです!
それまでは図書館の本やネットで勉強していましたが、古民家だけでなく環境や社会問題など古民家周辺のことが全体的・体系的に載っています。受験をせずともただ勉強したい人も満足できる情報量です。
そして受験する人はこの公式テキストから出題されるため、これに沿って学習します。試験を受ける人は公式サイトの方法で試験申し込みと同時に購入希望を出すことができます。
受験対策講習は受けた方がいいか?独学でも大丈夫?
受験を決めたら、気になるのが講習だと思います。難易度もわからないし心配ですよね。
受験対策講習はどこも試験と同じ日に同じ場所で試験前の約3時間ほど行われています。
受験料とは別に14,000円(再受験の場合は11,000円)かかりますが、受講したほうがやはり合格しやすいようです。真偽はさだかではありませんが、受講するとほぼ受かるとの情報もネット上でみました。
結論からいうと時間が割ける人は独学でもしっかり勉強しておけば十分合格できます。一度教本を見てみて心配であれば受講するといいと思います。
また、講師は古民家再生協会の会員の方なので、実際に古民家の現場にいる人から直接学べる機会としても受けてみるのもいいでしょう。
私は受けませんでしたが、もう少し安かったら
質問もできたでしょうし、受けてみたかったです
私がやった具体的な勉強方法
独学でやることにしたなら私が「試験までにやっておいてよかった!」と思ったことを書いておきます。ぜひご参考ください!
学習範囲の確認
公式ページにも書かれていないのですが、テキストの目次のうっかり見落としそうな下端に
本書にて受講可能な資格一覧「 」内は学習範囲
内閣府認可一般社団法人職業技能振興会 認定資格
・古民家鑑定士「Chapter1〜5、7(1〜6)」
(以下略)
川上幸生「古民家の調査と再築」一般社団法人住まい教育推進協会(2019)3頁
とあります。
公式ページに問い合わせました。
これってこの範囲外はからは出題されないってことですか?
講習でこの範囲外もまたがることはあるかもしれませんが、
範囲内を学習していただければ十分合格できると内容となっております
受け取り方はみなさんにお任せしますが、私は「他はでらんな」と踏みました。ただでさえ500ページ以上の分厚い本なので、範囲外は試験後勉強することにして試験まではこの範囲内に集中しました。
それでも多いですけどね……
学習科目「総論」「伝統構法」「在来工法」の3つ
テキストをみれば伝統構法と在来工法については目次でもすぐ探せますし、科目としても分かりやすいのですが、「総論」ってなに?と思いますよね。
総論はざっくり伝統構法と在来工法以外のすべて、と考えておくとよいでしょう。他の受験者でテキストの順番通りに出題されたという話もみましたが、私の時はそうでもなく総論はあちこちから出ていました。
学習範囲を3回読む
- ざっくり流れをつかむために読む
- じっくり理解しながら読む
- よく分かってないところを重点的に読み、付箋をつけておく
試験中に分からないところは3の理解できていないところである可能性が高いです。テキストの関連する項目でこの付箋がついている箇所はないかを見ました。
公式テキストは正直学習しにくい
このテキスト、情報量はすごいのですが試験勉強をする人にも注意してほしいことを挙げておきます。下記を自分でカバーしておく工夫をしておかないと試験時ただでさえない時間がさらになくなります。
すみません、本当に上から目線で言うつもりはないのですが、
今でも勉強していて正直にかなり困る点なのです
勉強するときに対策が必要な本の使い方
上記について何が困るのか、そしてどんな対策をしておけばいいのかお伝えします!
語句索引がないため、記載箇所を頭にいれるしかない
かなりびっくりしたのですが、ちょっとした雑学本にでも本の最後にあるはずの索引がありません。「この言葉、どこかに詳しく載っていたな」と思っても目次か中扉(章のはじめの目次)から探すしかありません。
また、たとえば「大黒柱」に関して書いてあるページを全部見ていきたい、と思っても検索できないためそれらしいところを見ていくしかありませんが、本自体の情報量が多いので全部見つかったか分かりませんし、おそらく取りこぼすでしょう。
色んなページに渡って書いてある用語も多いので探すの大変です
小項目のページ数を追記しておく
以下は実際にテキストを見ながらが分かりやすいと思います。
目次には大項目、中項目までのページ数まで書かれていますが小項目タイトルまでは書かれていません。小項目タイトルは各章の最初のページに載っています。が、小項目タイトルのチャプター名(C-3-1など)はあってもページ数がなぜか書かれていません。
チャプター名で探すよりページ数で探した方が断然早いです!
「※」書きにページ数を追記しておく
文中のところどころに
※漆喰についてはChapter4 C-4-10 塗り壁 参照
川上幸生「古民家の調査と再築」一般社団法人住まい教育推進協会(2019)96頁
と「詳しくはこちら」的なことがかいてあるのですが、ページ数がないので「いや、Chapter4 C-4-10てどこよ?!」とばーっと探しにいくことになります。
※以外にも自分で気になった用語などはページ数を追記しておくと
あとで勉強するときにも役立ちます
誤字脱字はがんばってスルーする
素朴に校閲がされたのかな?と思ってしまうほど誤字脱字が散見されます。地味に気になって集中が途切れることがありますが、重大なものはみんなのためにも報告してあげてください……。
192頁の「蹴り込み式框床」はちょっと
混乱するので報告しようか迷っています……
試験後のアンケートではとりあえず「改訂版の予定があればせめて索引はつけてほしい!」と書いておきました。
解答時にやること!
シャーペンより鉛筆を使う
持ち込み物は受験票、BまたはHBのシャーペンか鉛筆、消しゴムです。試験はマークシートなので、3回くらいクルクルすれば埋められる先を尖らせていない鉛筆をおすすめします。
笑っちゃうほど細かいけど、
先が細いものはマークを埋めるのも時間がかかる……
ただただ時間がない
試験はとにかく時間がないです。
- 試験時間:50分
- 設問数:60問
1問に1分もかけられません。分からないものはバンバン飛ばしましょう。そしてその際はあとですぐに調べるべき設問に戻れるように印をつけておくことをおすすめします。
ちなみに私は優柔不断で自信がない人なので×と△が6割くらいになって焦りました。結局×を調べる時間しかなかったです。
一旦印をつけつつ最後まで問題をみたら、×のものから調べにかかりましょう。悩んでる場合じゃなくもう最後は全部解答することが目的となり「えぇい!もうこれだーい!!」みたいな勢いまかせになります。
私を困らせた設問はこんな問題
問題は二者択一です。どっちか選べばいいのです。
用語系のことは比較的すぐに答えられたり調べられたりすると思います。難しいのは考えないといけないような設問です。
そもそも問題の意味がわかるまで時間がかかるものがあります。何をきかれているのやら?!となりました。
「ヒントとなる情報はテキストにあるから読み取ってね」「テキストを理解していればわかるよ」といった問題はテキストをみてもそのまま回答が載っているわけではないので迷います。
おそらく不動産関連や建築関連のもともと知識のある人たちであれば常識!といった問題も、一般の人には分かりにくい書き方をされていたりします。
ひっかけ?!と設問を疑うものもあったわ……
古民家鑑定士 試験対策まとめ
色々書いたのでまとめておきます。
- 学習範囲の確認
- 理解できていないところには付箋をつけておく
- テキストのどこに何が書いてあるか頭に入れておく
- ページ数が記載されていないものは自分で補足しておく
- 試験時は先の丸い鉛筆を使う
- 分からない問題はどんどん印をつけながら一旦飛ばす
- 悩みすぎず、とにかく全て解答すること
もちろん勉強の仕方は人それぞれベストな方法があると思うので、学習しているうちに自分なりの方法を見つけていただきたいと思います。また、ここに書いたのは私が受けた時はこうだったということで、ネットやSNS上ではまた違った所見を書いてくれている人もいます。ぜひ参考にしてみて欲しいと思います。
色々かきましたが、50分はあっという間です。終わったら運を天に任せて合格発表のある翌月10日を待ちましょう。WEBで先行して発表され、後日郵送でも届きます。
シンプルに古民家について勉強したい人はこちらがおすすめ
ちなみに資格まで取らずとも古民家の基本的なことが知りたいという方は下記の本をおすすめします。公式テキスト「古民家の調査と再築」の川上幸生著の本で109ページくらいでぎゅっと古民家の雑学が詰まっていて読みやすいです。電子書籍のみですのでご注意ください。
資格がとれたら一層古民家を見るのが楽しくなることでしょう。STAY JAPANなど民泊体験などでじっくり古民家を観察できる機会にも触れてみてください!