古民家探訪18 珈琲と麦酒

珈琲と麦酒 外観福岡市博多区
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今回は久しぶりの博多へ!情緒あふれる呉服町にゆるこが行ってきました。お寺に囲まれた不思議な場所に残る町屋のひとつ。小さくて賑やかな古民家で珈琲と麦酒(ばくしゅ)が楽しめます。

マドレーヌさん
マドレーヌさん

あ、またいつの間にか行ってる!

ゆるこ
ゆるこ

古民家、定期的に行かないと……い、息が……

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珈琲と麦酒の町屋は築122年

珈琲と麦酒は福岡市博多区の上呉服町にあります。博多駅からたくさんのお寺があるエリアを20分ほど歩きつつやってきました。昔はたくさんの町屋が並んでいたらしい上呉服町。珈琲と麦酒もそんな町屋の一つに入っていた古民家の一つです。

珈琲と麦酒の外観
左右の家とぴっちり肩を寄せ合って立つ姿がかわいらしい。町屋っていいな。

この町屋は築122年。明治33年(1900)に建てられたもの。お店のご主人のお母さまともお話ししていましたが、「戦争でも残れたのは近くにお寺さんがたくさんあったからでしょうねぇ」とのこと。2階のカウンター席からは斜め向かいに立つお寺の鐘が見えます。

お店の左右にはまだ同じ長屋の一部だった民家が残っています。一つは今も住まわれていて、もう一方は時々家主の方がお掃除に来られるのだそうです。古い家は人がいないとなかなか残っていきません。残っていないと古民会は訪ねることができませんから、こうやってお店をされたり管理されている方に感謝なのです。

マドレーヌさん
マドレーヌさん

ありがたいね

呉服町の古民家はみやけうどんもありますよ
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珈琲と麦酒には小さなお庭と井戸が残っている

今回はゆるこ一人だったので、最初はいつも少し入りづらい……。マドレーヌさん求むと願いつつ、外観を眺めていると、お店のご主人が「どうぞ!」と声をかけてくださいました。

1階カウンター

こちらは1階の店舗奥から撮らせていただいたもの。左の壁を見ると、かなり狭い間隔で柱が立てられていたようです。柱や梁などは当時のまま残してあるそうでいい色ですね〜。物件の内覧時は床は全部外されていて礎石が残っているだけの状態だったのだとか。

1階の奥に進むと、昔は庭でもあったのか四方を建物に囲まれた外の空間があります。なんとそこにあるのが今も水が出る井戸。

井戸
「特製」の黄金文字が光る

実際にギコギコ漕いでみると本当に水が出てきました。正真正銘の井戸水だそうです。『となりのトトロ』に出てくるおばあちゃんの「しっかり漕ぎな〜水がちゅめたくなるまで〜」のセリフが聞こえてきそうです。

パッと見は「わ〜レトロかわいい〜」と思いますが、考えると昔の人は生活の水をこれに頼っていたんですね。人々の命や生活をつないできたすごい存在に思えてきます。お店の方によるとこの辺は今でもちょこちょこ井戸が残っているのだそうです。今度探しに行ってみましょう。

庭の干されている干し柿

この井戸がある中庭は本当に小さな空間です。きっと昔の呉服町は多くのお寺や町屋でひしめき合っていて、ここも四方八方を他の町屋に囲まれつつ、たまたま僅かにできたお庭だったのかもしれません。昔の家人もこんなふうに干し柿を干したり空を見上げたりしたのかなぁと想像します。

ハシゴしかなかった階段から2階へ

1階はカウンター席がメインです。常連さんたちが多い日のようで賑わっていたので、あまりジロジロみるのは今回は控え、2階へお邪魔しましたよ。でも古民会にはこれが正解!

階段

さすがの町屋、一つの家が細いのが特徴ですが、階段も細い。

今はきれいにしてあるこの階段ですが、物件を見にきた時には階段はなくハシゴがかけられていただけだったそうです。元はあったはずだというお話しでしたが、1階の床も外されていたらしいことを聞くと、わざと取り壊してあったのかもしれません。

ゆるこ
ゆるこ

ただでさえ古いお家だから、ハシゴをかけて上がるのはなかなか勇気がいるかもしれない……

階段の上がり口です。ガラス張りでおしゃれですね。この壁と天井部分は新材が使ってあるようですが、元の古材と同じ色に古色塗装されていてとても馴染んでいます。2階は土禁なので気をつけましょう。

古色塗装(こしょくとそう)
古材と新材を使うことで色の不調和を解消するために古材に似た色を新材に塗ること。柿渋に松煙などの顔料を混ぜたものが使われる。

ゆるこ
ゆるこ

ゆるこは気づかず靴で上がっちゃってました……

2階に入ると1階から続いている柱が並んでいます。カウンターそばの柱にはほぞ穴が多く残っていたので、ここが2階の部屋の間仕切り部分だったようです。そうすると客席側の左側がちょうど6畳くらいでした。

カウンターの端に座ってこの柱に触れて見ましたが結構無骨でガサガサしています。スムーズじゃないのがいいですね。

緩やかにカーブしている梁。現代建築にはない家の中で見て取れる自然の湾曲は人の気持ちをほっこりさせる古民家の魅力です。桁は両隣の家と繋がっていそうですね。

最近改修をして2階にも新たにカウンターを作ったそうです。2階はこのカウンター席3席とテーブル席が1つあります。

このカウンター向こうの空間が素敵ですね。軒桁と思われる横架材が結構低く降りてきているので、窓との距離が近くなっています。小さな壁のわりに大きな窓。町屋は間口が狭く奥に長い構造のため、家の奥が暗くなりがちだったのかもしれません。家の奥まで光が届くような大きな窓です。

軒桁(のきげた)

外壁の一番上にくる部材で、垂木の下に渡して軒を支える横木

垂木についてはこちらから

この窓辺にお店のご主人のお母さまが腰掛けて色々とお話ししてくれたのですが、にこにこお話しするお母さま含めてなんだかとてもいい光景だなぁと幸せな気分になりました。

珈琲と麦酒を味わう

タイトルまんま珈琲を味わってきました。ちなみに珈琲と麦酒で扱っている麦酒はクラフトビールだそうです。並んでいるラベルも見たことないものばかりで面白そうでした。

今回ゆるこはカフェラテとチョコレートのパウンドケーキを頂きました。コーヒーカップではなく、大きめのお湯呑みみたいな器に入ったカフェラテがかわいいですね。ケーキもお店で作っているそうです。さっぱりした甘さでとってもおいしかったです!

ちなみに夜は間借り営業されているお店が開店するそうで、通常珈琲と麦酒は16時か17時ごろで閉店します。夜の雰囲気も気になります。

マドレーヌさん
マドレーヌさん

私も次回は行きたいよ〜

珈琲と麦酒ではお母さまがたくさん私の話し相手になってくださいました。お店でも出しているというお手製の梅シロップを見せてくださり、漬け込んだ梅のおいしかったこと!作り方も教わったので今度挑戦してみたいです。

ご主人もとってもフレンドリーな方でまるで以前からの知り合いのように接してくださいます。周辺の古民家情報も教えてくださいました。私が見えなくなるまで見送って手を振ってくださっていたのが印象的でした。また今度ゆっくりお邪魔します。

ゆるこ
ゆるこ

お二人ともありがとうございました!

珈琲と麦酒 店舗情報

住所 :福岡県福岡市博多区上呉服町5-175
TEL : 09011919758
<営業時間>インスタで確認されたし
<定休日> インスタで確認されたし
<駐車場>(たぶんないです)

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