古民会 波佐見編の第2弾は先日美のり窯を訪ねた際にランチで立ち寄ったモンネ・ルギ・ムック。波佐見の中でも大人気の西の原というエリアにあります。「なにここ、なにここー?!」と思わず連発せずにいられないかっこいい古民家カフェここにあり、なのです。
ムックは築約100年の元製陶所
モンネ・ルギ・ムック(monne legui mooks)は地元の方からもムックと呼ばれて人気のカフェレストランです。そんなムックはお店の方によると昭和初期に建てられ、築100年以上は経っているとのこと。このノスタルジック溢るる窓際、いいでしょう、座ってみたいでしょう。この日は曇った寒い日で、なんだかそのアンニュイな空気がより一層店内を落ち着いた雰囲気に包んでいるのでした。
落ち着きがないのは素敵なお店に興奮してた私たちだけね
ムックは波佐見町のおしゃれエリアで有名な西の原にあります。もともとこの西の原は幸山陶器という窯元の製陶所です。敷地内はいくつかの建物がありますが、それぞれの建物で生地作りや絵付などの製造役割を担い焼き物作りの一連の工程をこの敷地内ですべて行なっていたようです。ムックの建物もその中の一つというわけですね。
ムック1階は開かれた空間
元々は小さな部屋がいくつかあったようですが、壁はすべて取り払われて低い天井から裸電球が灯っています。柱の下の方には礎石が残っていますね。古民家には石場建てが多くありますが、そうだとするとこの天井の低さから見て居室空間がかなり狭かったように感じます。元はどうだったのでしょうね。
礎石の上に柱を立て、足固めと呼ばれる構造材で水平に柱同士を繋いで立てる伝統工法
足固めって「しっかり準備する」っていう意味だけど、元は建築用語なんだ!
床にはかつての間仕切り跡もあり、見上げて頭の中で柱や梁と繋げ合わせると小さな部屋がたくさん並んでいたのかなぁと想像できます。窓がとても多く、普通の民家とはやはり違いますね。
必見。ムック2階のフリースペース
ムックは天井が低いので店内の全体像が少し見えにくいのです。しかしそこがいいのですね、何があるんだろう?ってワクワクします。お店の方に断って店内をウロウロさせてもらいました。テーブル席の他にソファ席もあってお子さん連れもいらっしゃいましたね。1階奥にはカウンター席や広めのテーブル席がありますが、突き当たってふと後ろを振り返ると「をををを?!」な開けた2階部分に気づくのです!
びっくりしてわぁわぁ言っていると、ランチ時間で忙しいでしょうにお店の方が声をかけてくださいました。なんでも元々は2階はなかったそうなのですが、改装時に1階の天井をぶち抜いて吹き抜けにしたのだとか。屋根裏的に残っていた場所にあらたに階段をとりつけてあります(写真左部分)。こんな立派な梁が組まれた天井を拝めて私たちは幸せです。ありがとう、ありがとう。
とにかくムックは本当にお店の方が親切!!オーダーの時に「古民家好きなんですぅ〜」と話していた私たちにすごく丁寧に説明してくださいました!ありがとうございます。
早速上がってみると、もう心臓わし掴みな光景がひろがっています。なんというほっこり空間なのでしょう!もうここに住みたいですね!
巨大な梁が水平に2本接続されているのが気になります。この構造ははじめてみました。1本は柱と直結していません。調べましたが分からず…どなたかご存知でしたら教えてください。
窓の下部にうっすらと隙間があって外の光が見え、なんだかにやにやしてしまいます。1階でもそんな隙間をちらほら見つけましたが、それを許容しているのはこの古民家としてのお店の雰囲気あってこそですね。冬は寒いんだろうな、とも思いますが恐らく薪ストーブでぬくぬくかと。
このご時世 隙間も大事な 換気孔
椅子やハンモック、ソファなどこの部屋だけをみると日本の古民家というよりもなんだか欧米の古いお家にも見えます。インテリア次第でどんな空間作りもできる古民家の可能性は無限大です。
なんかメキシコの人形とかあったけど全然違和感なかったね
色んなところで小さなワクワクを与えてくれるムック
お手洗いを探していると、思わず登りたくなる階段を発見。板を打ち付けただけの簡単なつくりにも見えますが、一段一段の幅が狭いところや色など見たところ昔そのままの階段のようです。なんとなくスタッフオンリーな気配を感じて昇るのは遠慮しました。
そうよ〜気になっても勝手に昇っちゃダメよ〜
お手洗いの手前で気づいたのはこの洗面台!この風景、冬を舞台にした映画にでも出てきそうではないですか。木枠の窓にすりガラス、裸電球と無造作に置かれた昭和レトロな石油ストーブや扇風機。そしてその洗面台には……
カエル乗っとるやーん。めっちゃこっち見とるやーん。さすがにこの洗面台はお店がとりつけたものかと思いますが、剥き出しの水道管や白い木壁など昔の風景にすっかり馴染むこのセンス。感嘆のためいきです。すぐそばにお手洗いはあるというのに、このつぶらな瞳に見つめられていつまでも用を足しに行けないゆるこなのでした。
ムックはそのレトロな古民家の至る所で楽しくてかわいくてワクワクする非日常に溢れています。
ムックを味わう
ムックはカフェレストランです。平日でもたくさんのお客さんが来ていましたが、こと週末や波佐見のイベント時には大盛況しています。ムックは創作料理的なメニューも楽しいお店です!
私とマドレーヌさんが注文したのはサラダとドリンクがついてくるランチセット「ふっくらしらすと新玉ねぎと野菜のおひたし 飛魚だし麦とろろごはん」でした。先に出てきたロペとキッシュの美味しさにメインも期待していると、とろろご飯を頼んだとは思えないプレート。小鉢に入った飛魚だしの底に沈んでいるとろろをご飯プレートにぶっかけて頂く、これまでのとろろご飯のイメージを覆えすメニュー!菜の花などの春野菜と妙に後をひくさわやかなすり立てのワサビが絶妙で忘れられません。本当においしかった。
器もすてきな波佐見焼きだったね
ケーキセットも食べればよかったですぅ
モンネ・ルギ・ムック 店舗情報
住所 :長崎県東彼杵郡波佐見町井石郷2187-4
TEL : 0956-85-8033
<営業時間>12:00〜22:00
<定休日> 火・水
<駐車場>不明